二郎の日記

スキー&スノーボード2004-2005

4.2 アルコール依存症に忍び寄る生活の障害

 大量のお酒を、毎日長時間かけて飲むアルコール依存症者には、日々の生活で繰り返し落とし穴に落ちています。これが年に一度か二度の出来事であれば大きな問題は生じ無いのですが、毎日になると大きな障害となります。

 それは日々の生活で得る大切な経験に使うべき時間を、お酒を飲む行為に消費してしまっているのです。お酒を飲んで記憶がなくなってしまう(ブラックアウト)アルコール依存症者にとっては、酒の上の経験さえ身につかないのです。私は頻繁にブラックアウトを経験しています。本当にお酒を飲んでいる時のことを覚えていないのですから、「お金も、時間も、経験も」全てを失いながら飲みつづけていたのです。

 社会生活に必要な能力は、日々の経験を通じて子供時代から養われていくものです。大人になると自分の責任で多くの問題を処理していく必要があります。そして、問題の処理には葛藤がつきもので、それに伴うストレスは適度なものであれば人間を成長させます。なによりも、貴重な経験を身に付けていくのです。

 20代から40代にかけては、この貴重な経験を積み、社会人として生活していくための大切な訓練の期間です。この時期には、次々と生じてくる問題を解決する能力を身につけていくものなのですが、アルコール依存症の進行はこの時期に重なることが多いのです。社会的な責任が重くなるにつれて病は進行し、飲酒量は増加します。そして、周囲の人もストレスリリーフに、職場や地域のコミュニケーションを充実するためにと、お酒を勧めます。お酒を飲みすぎる日々が続くと、大切な問題に遭遇した時にまでお酒を飲むようになります。そして、ついには問題を解決せず放置したり、お酒に逃げたりしてしまいます。

 このような日々が続き、生活に必要な経験が不足することにより、社会生活に必要な生活能力を充分身に付ける機会を失ってしまっているのです。

 肉親との死別、対人関係の行き詰まり、経済的な行き詰まり等、大きなストレスがかかると、飲んでしまうのです。そしてつかの間の健忘症となり、問題を放置してしまっているのです。本当は、このような時こそシラフで問題に立ち向かい、早期に問題を解決すべきなのです。そして普通の人は、酒を飲まず、問題に立ち向かっていくのです。それに比べ、大切な時に飲んでしまう人間、アルコール依存症者に対する周囲の評価は明らかです。生活能力の低下は、アルコール依存症者の信用も低下させているのです。

 この信用の低下は、心の障害とも関係して、日常生活の障害を増やします。日常生活の中で見られる小さなストレスに対しても弱くなり、物事を円満に処理できなくなってしまうのです。そして、日常生活の場である家庭をギスギスしたものにし、崩壊へと導いてしまうのです。
by jirou_ah | 2008-10-28 03:18 | 出版 | Comments(0)
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ネクタイアル中・回復の日記
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